コロナショックに打ち勝つ短期施策として「ECサイト」「WEBサイト」の有効性はどれほどあるのか?


 

ECサイト」「WEBサイト」の検索ボリュームが激増。

 

2020年3月24日にグーグルトレンドでECサイト/WEBサイトの制作への関心度が急上昇しています。コロナショックでWEBサイ/ECサイトの制作、改修が急務と判断した現れの一つだと思います。自社サービスのオンライン化の促進、滞っていたデジタルマーケティング施策に着目する事はとても大切です。

BtoBであれば営業担当による商談や来店、展示会によるリード獲得。BtoCであれば店舗来店時のサービスや体験の提供。当たり前のように行なっていた導線が絶たれた今、早急にオンライン化を進めなくてはいけない状況はご存知だと思います。

この記事は2020年4月22日現在から6ヶ月以内に成果を出すための短期的施策を前提に記載しております。

ウィズコロナで生き残る施策とは?

WEB制作会社という立場として、サイトの有用性は間違いなくあると断言します。しかし、短期的施策として効果を発揮するにはいくつかの条件があると考えています。資金が潤沢な企業であれば中長期的な施策も可能でしょう。しかし、早急に行うべき短期的施策としては懸念が残ります。その懸念解消の為に、WEBサイト、ECサイトの役割を説明します。

緊急事態宣言により多くの企業が今まで通りの営業活動ができなくなりました。営業担当による商談、来店や展示会によるリード獲得、店舗でのサービス提供、これらのサービスを提供していた企業にとっては早急にオンライン化を進めなくてはいけません。しかし短期的施策として有効かどうかを判断するために、まずECサイト、WEBサイトの役割と位置付けを確認する必要があります。

BtoBにとってWEBサイトとは?

 

 

BtoBの特徴

決定要因の複雑さと検討期間の長さが特徴のBtoBにとって、見込客獲得へのオフライン営業が今は行えません。だからこそオンラインによる見込み客の獲得が非常に大切です。そのWEB上での「集客方法」と、訪問時の「アクション」、その後のオンライン営業、というこの導線が非常に大切で、WEBサイトは集客とアクションの役割を兼ねています。とりわけ集客方法は多岐にわたり非常に重要です。

 

上記図では「課題形成」「認知」「情報収集」「比較検討」の4つの層にターゲットを分けています。各層が行う検索行動や思考に合わせてた集客経路が必要で、図の下部ほど問い合わせや資料請求、契約の確度が高まります。では、それぞれに対して適切な集客方法は何でしょうか?

 

SEO施策

自社商品に関連するキーワードの上位表示回数・流入数を上げることで、自社の課題に気づいていない企業に対して自社サイト・SNSなどで「役立つ情報」を発信し、拡散・検索ボリュームの増加をを狙う施策です。またウェブセミナーなどによりリスト獲得も可能です。その多くは課題形成、未認知層に対しての施策が中心となります。しかしSEOは短期施策としては最も相性が悪いです。上位表示までに時間もコンテンツ開発力も必要です。さらに問い合わせや資料請求する方には「行動パターン」があります。いくら上位表示させたとしても、CV(コンバージョン)しないキーワードでは全く意味がありません。

SNS施策

企業アカウントによるSNS発信は重要です。さらにスタッフが有益な情報を発信する事でより効果は高まりますが、フォロワーは短期間で増えることはあまりございません。地道な日々の運用が重要ですのでこちらも短期的施策としては相性が良くありません

外部メディア

メディアに取り上げられる事は認知拡大には非常に有効です。しかし「有益なコンテンツ」を保有している事を認知されなければ依頼もきません。

広告

これが最も短期的な集客として有効です。検索広告やfacebook広告により、ウェビナー申し込みや資料DLの記事広告、検索連動広告とランディングページなどにより短期的な効果が期待できます。この際、CVRが高かったキーワードなどをWEBサイトにも含めSEO効果を狙うと中長期的な施策として広告予算削減にも有効です。

現実的に闇雲な集客をしても問合数が増えることはありません。この短期的な施策により「生き残る」という目的のためにはSEOやSNSは有効ではありません。「短期的に売上に繋がる受注数」の向上が必須。WEBサイト施策の中でも「SEO」「コンテンツ開発」は非常に時間がかかる中長期的な施策です。

BtoCにとってECサイトとは?

現在EC事業は商材によって大きな格差が生まれています。当然「家の中」で過ごす方が急増したことに起因しています。実店舗で購入していた商品を自宅でも購入できるようになればこの需要が高まることは当然です。では、店舗売上が減少した企業にとって今からECに参入して売上拡大は可能でしょうか?まずはBtoCの特徴を理解しましょう。

BtoBとは異なりサイト訪問者と決済者が同じ人物のケースが多く、購入決定要因も単純です。そして提供する商材やサービスは大きく4つに分類されます。

BtoCのタイプ別特徴

品揃えタイプ

多くのカテゴリや商品数を取り揃えたタイプの店舗です。登録商品が多いため、商品登録や在庫管理などの工数もかなり多くなります。サイト内導線やレコメンドなど、商品との接点向上が売上にも関与いたします。

ニッチタイプ

検索ボリュームが小さい市場の商品やサービスです。求めている方は口コミや専門サイトで情報を積極的に摂取します。その時にちゃんとサイトが存在していることが重要です。母数が少ない分、取りこぼしがない施策が必要。

型番タイプ

認知度の高いブランド商品です。商品名やブランド名だけではなく「型番」で探す方も多いため、商品に関連するキーワードでのSEOが非常に大切です。

独自ブランド

オリジナルブランド商品が中心で商品数は多くない傾向です。知名度がないため、出店するだけでは売上を作るのは困難で、いかに理解し必要と思っていただけるかの説得と集客経路が重要です。

そしてECサイトをどこでどの様に構築するのかも非常に大切です。

ECカートの種類

モール型EC

楽天市場やAmazonなどのモールです。この2大モールにも特徴があり、販売戦略も大きく異なります。集客自体はモール側が行なってくれているとはいえ、自動的にあなたのサイトに人が集まるわけではなく、独自に「集客」を行わなくてはいけません。

独自サイト型EC

モールとは違い、全ての集客を自力で行わなければいけません。ただモールとは違い、価格競争や比較に晒される事は少なくなり、自社ブランド価値を損なわずに運営が行えます。

自社開発型カート

カスタマイズ領域は無限にある為、自社サービス特性に沿った開発が可能ですが、コストや時間も必要。且つ自社の課題が分からない状況での開発は非常にリスクが高い。

パッケージ型カート

ベースとなるシステムをカスタマイズするパターンです。自社開発型に比べて費用は抑えることができますが、カスタマイズする度にコストと時間が発生致します。

ASP型カート

すでにサイト構築機能や決済システムなどがパッケージされており、随時アップデートもされます。月額の費用も抑えることができ、EC未経験者に最適です。ただし多くの種類がある為商材の特性や販売戦略に合わせて選定する必要があります。

BtoCでも集客が問題


>BtoBとは受注までの導線は異なりますが、WEB上での集客はほぼ同じで「検索」「SNS」「メディア」「広告」です。しかし1番の問題は単価が低価格なこと(1件数百万円以上のBtoBと比較して)。その分BtoBよりかなり多くのアクセスがなければ売上も伸びません。その為の集客をどうするのか?

前述の通り、SEOやSNSを今日始めたとしても効果が出るのはだいぶ先の話です。よって広告を活用するしかありません。そして、WEB広告には多くの媒体とその特性を理解しなければならなく、商材と広告と費用対効果を絶えず計測し、チューニングと改善を行わなければいけません。

短期的施策でも最も有効なのは?

多くの制作会社がWEBサイトやECサイトは「作って終わりじゃない」という言葉を使います。そしてこれは事実です。その多くが「集客」と「アクション」の話です。今サイトの制作や改修を検討している企業はぜひ「集客」をしっかりと考えてみてください。集客がなければWEBサイトはただの箱と化してしまいます。そして、多くの集客方法には「お金」か「時間」が必要なのも事実です。

WEB/ECサイトのコンテンツ制作やSEO、SNSは「未認知層・低関心層」に役立つ情報を発信し発見してもらう中長期的施策

すでに認知度の高い社名やサービス、商品を販売されている企業であれば別ですが、そうではない企業にとってはWEBサイトやECサイトは短期的に活用しきれない事が多くあります。では、どの様にアプローチするべきなのか?上記の図はBtoBでもCでも活用できるものです。全く商品の素晴らしさや販売している御社のことを知らない方が「未認知層」。そして商品やサービスの必要性を感じていない方が「低関心層」。そこから今は必要としていない「潜在層」や必要としている「顕在層」という分布です。

広告は「顕在層・潜在層」の行動や思考に対して注目してもらう短期的施策

かつてのテレアポやDM、展示会などのアウトバウンドなマーケティングを絶たれた今、短期的に代用できる施策は「広告」以外はありません。WEBサイトやECサイトの作成を検討している方は、必ず「広告」とセットにしてプランニングする必要があります。中長期的に広告費用を削減する為に「コンテンツ開発」や「SEO」を今から行うという理由であれば問題ございません。

 

BtoBでの短期的施策
1 記事型ランディングページ
2 ランディングページ
3 ホワイトペーパー
4 オンラインセミナー
5 WEB広告
6 メールマーケティング

BtoCでの短期的施策(自社ECサイト)
1 ASP型カートの選定(低コスト)
2 売筋商品を1〜5商品を選定しランディングページ化
3 WEB広告での集客
4 クロスセル商品・アップセル商品の提案
(※モール型もほぼ同様ですが、仕様や戦略が異なります)

そして、アフターコロナ時にさらに躍進できるようにWEBサイトやECサイトのコンテンツマーケティングやSEO、SNSといった中長期的施策も強化しつつ市場の動向に柔軟に対応できる体制づくりが「今必要な施策」だと考えています。