DX時代のBtoBマーケティング勝利の鍵は、”一次情報”を重視したWebサイト制作!押さえるべきポイントとは?(株式会社ユーティル x 株式会社nano color)

Web制作の発注を検討している企業と制作会社のマッチングプラットフォーム「Web幹事」を運営されている株式会社ユーティル様。「自分たちでも表現できていない『Web幹事サービスとは何か』を改めて整理し、依頼主企業様にメッセージを正しく伝えたい」との課題をお持ちでした。
ナノカラーでは、制作会社の選定において依頼主企業が抱えている課題を紐解いていき、リサーチ・仮説設計を行った上で、Web幹事と市場ニーズのマッチングスポットを発見。依頼主企業が求めている領域を洗い出した上で、とるべきセールスコミュニケーションをLPコンテンツに落とし込んでいきました。
同社でマーケティング施策に携わる峯村様に、Web幹事立ち上げの経緯や、依頼主企業へのご提案にあたり大切にされている点、また、ナノカラーとの取り組みについてお伺いしました。

1.株式会社ユーティル 事業概要

「デジタル化をもっと簡単に」というミッションの元、「Web幹事」「動画幹事」「システム幹事」をはじめ、企業のDX支援を行うプラットフォームを運営しています。

2.対談者紹介

  

    

   

株式会社ユーティル 執行役員
峯村 耕太郎 様

ライター、営業、ディレクター、マーケターと複数の職種を経験。ユーティルでは集客チャネル開拓、サイト改善などのマーケティング施策を担当する傍ら、これまでに1,000件以上のホームページ制作お悩み相談に対応。

   

  

    

   

株式会社nano color
リ・スウォン デザイナー・プランナー

グラフィック・DTP・コミュニティ・HP・LPなど リアルからWebとなんでもやってきた商業デザイナー。 フリーランスとしても活動中。

   

  

    

   

株式会社nano color
山下 拓真 取締役COO・制作事業 マネージャー/プランナー

広告代理店出身の知見を活かし、デジタルの広告導線と連動したLP運用を得意とする。依頼主の収益モデルごとのワイヤー/コンテンツ開発を中心に、具体的な戦術立案に強みを持つ。

   

3.Web幹事立ち上げのきっかけは、 業界のブラックボックスを解決したいという想い

ー元々は受託の制作会社としてスタートし、4年前からWeb幹事の事業をはじめられたユーティル様。業界の根本的な課題解決に取り組みたいと感じるようになったきっかけは、「制作会社に発注する」という最初の入口でつまづいてしまうお客様がとても多いことだったといいます。

峯村: 受託開発をやっていた中で、制作に関する質問はもちろんあるんですが、それ以上に根深さを感じた問題が、発注ご担当者様が制作会社を「探せない」「選べない」という、制作よりもっと手前の悩みを持たれていたことです。
では「なぜ探せないのか?」と考えてみたときに、「情報がありすぎて選べない」だったり、「どの情報を信用していいかわからない」というブラックボックス化している部分があることを、お客様のお話を伺っていく中で感じました。確かに、これは私自身が発注側となったときにも同じ問題を感じるんですよね。
であれば、「探せない・選べない」に対して解決できるようなサービスを提供していった方が、私たちとしての価値をもっとお客様に還元できるのではと考えまして、これまでおこなってきた受託開発事業はストップし、Web幹事サービスに注力することにしました。

4.「相談窓口のプロ」として、大切にしていること

ーお客様(発注者)にミスマッチなく最適な制作会社を紹介するにあたって、どのようなご提案を心がけておられるのでしょうか?

私たちが大切にしていることは、できる限りの「一次情報」を提供することです。一次情報を提供するには、ご紹介する制作会社様の得意分野を、私たちがしっかりと理解しておかないといけません。同じWeb制作でも、例えば「BtoB領域が得意です」とか、「広告とセットで運用するのが得意です」とか、いろいろありますよね。Web幹事では、ご紹介させていただくWeb制作会社様が得意とされる情報をデータベース化し、一次情報をお客様にしっかりと開示できる体制を整えています。
お客様と制作会社のミスマッチが起こる原因は、ほぼ100%「期待と予算のギャップ」なんです。やりたいことに対する適正な期待値と適正価格があれば「的外れ」な発注はなくなります
ご相談フローとしては、オンラインで30分ぐらいかけて、目的や課題についてじっくりとお話を聞かせていただき、ご予算・スケジュールなどもあわせて与件を整理していきます。お客様である発注ご担当者様は、課題感を上手く言葉にできない方も多くいます。私たちは「お客様の曖昧な課題感」を「細分化する」こと、「制作の必要性を整理する」ことも大切にしながらお話しを伺います。
だからこそ、お客様には「そもそも制作するべきなのか」という疑問を投げかけた上で、事業の課題解決に本当に必要だとお互いが納得できる時に「Webサイト制作」をご提案しています。
お客様がWebを使って課題を解決したいケースは大きく3つあります。

・売上を上げたい
・業務を効率化し経費を削減したい
・採用を強化したい

中でも「売上を上げたい」がシェアとしては大きいです。課題解決の観点で言うと、お客様にとって売上が上がるのであれば、Web活用以外にも様々な手段が考えられます。だからこそ、なぜ今回Webという手段を使って売上を上げたいと思ったのかを紐解いていくようにしています。また、Web制作後、いつまでにどのくらいの売上を予測しているかお聞きすると、予測が立っていない方も一定数います。この場合は売上予測を立てるためのヒントをお伝えさせていただくこともあります。理由は、予測結果に応じて制作物が変わる可能性もあるからです。商材、集客方法によって制作費の投資回収期間は変わりますが、売上が立つまでに半年とか1年かかることもあるので、仮に200万円かけてリッチなサービスサイトを作るよりは、50万円でまずはLPをつくって、150万円を広告に回し、短期的な改善を図っていくほうが良い場合もあるんです。
このようなことをお話ししながら、お客様と共通認識(=要求定義)を固めていきます。お客様が叶えたい本当の目的が分かると、制作会社様をミスマッチなくご紹介できるようになります。
BtoBの意思決定の過程においては、事業規模が大きければ大きいほど、最終決断までに多くの人数が関わり、決定までの期間も長期に渡る場合があります。私たちは、お客様(発注者)の悩みをお聞きし、共に情報を整理し、ロードマップをつくる良き相談相手のようなポジションでありたいと思っています。
山下: 「制作することが本当に正解なのか」ということに対して、ちゃんと疑問を呈する姿勢は、ナノカラーとしても非常に共感できる部分です。
私たちにご相談を頂くお客様のお話を伺っていると、制作物を作るよりも先に改善できるボトルネックをお持ちのお客様もたくさんいらっしゃいます。最近では、制作会社として「制作することが正解ではないケース」に対し、ナノカラーが提供できる価値として、例えば「そもそもブランドとしてどうありたいのか」や「エンドユーザー(生活者、消費者)にとってどうあるべきなのか」というコンセプト設計の領域を支援するケースも増えてきました。
それでも私たちは「制作会社」として、世間から認識いただいています。だからこそ、Web幹事は第三者の立場から「Web制作って本当に必要なんだっけ」という意見をお客様に投げかけることができる重要なアドバイザーであり、ユーティル様には多数の制作会社経験者がいるからこそ空想論ではなく現実的な視点があります。
私も自社のWebサイト制作を発注した経験がありますが、「的外れな無責任なアドバイスが一切ない」という安心感は、発注選定において重要な要素だと感じています。

5.ナノカラーへご依頼いただいたきっかけ

峯村: 2年ほど前から、Web幹事への広告流入を強化しており、少しずつ成果は出はじめたものの、もっと流入数を増やせないかと考えておりました。「どのようなメッセージを発信すればお客様に届くのか」という課題を、私たち自身が見つけられていないと感じていまして、メッセージを磨くために私たちのサービスを客観的にみてもらうパートナーが必要だと考え、ナノカラーさんにお願いさせていただくことにしました。
ナノカラーさんが発信されているLP戦略や広告運用の仕組みに対する考え方は、以前からSNSで拝見して感銘を受けていました。ナノカラーさんにお願いすれば、私たちの強みを発見し、それを施策に落とし込んでいただけると思ったのが、ご依頼した背景になります。

6.ご提案フロー
なぜ制作会社を選べないのかという心理を紐解いていく

山下: 「Web制作に何かしらの課題感がある方が利用するサービス」がWeb幹事ですので、そもそも「なぜ自分で制作会社を決められないのか」という心理を紐解いていく必要があると感じました。
そこで、「選べない」「決められない」心理の背景として、過去の発注で経験した「失敗経験」がネックになっているのではないかと仮説立てを行い、Twitter経由でアンケートをとりました。その結果、「知人や知人の紹介で発注した結果、失敗した」という回答が非常に多かったんです。
発注するにあたって、解決すべき自社課題があるはずなのに、それに適した制作会社を選定できず、知人や知人の紹介を優先しているという事実が浮かび上がりました。制作会社の選定には、主に4つの指標があるとアンケート項目を組み立てる時に想定していましたが、一次情報の摂取量により、これらの指標の優先順位が入れ替わることも分かりました。情報摂取量により、選定力が高い・低いという状態が起きる。選定力が低ければ低いほど、身の回りで相談できる人に頼る(知人にお願いする)という現象が起きているのだと思います。

ーWeb幹事を一言で表すとどんなサービスなのか?

このような全体像がみえていないユーザーに対して、課題解決までの全体像を見渡せる地図とナビを作ってくれるサービスこそがWeb幹事であり、お客様(発注者)に求められている領域だと考えました。

ーペルソナが置かれている状況により、サービスを求める理由は異なる

また、市場調査・競合リサーチを行った上で、ペルソナタイプを細分化し、Web幹事が必要と感じるユーザーを特定、ユーザー期待値との乖離をなくした上で、とるべきセールスコミュニケーションをLPコンテンツへ落とし込んでいきました。
ペルソナが置かれている状況によって「サービスを求める理由は異なる」はずなので、「絶対に失敗したくない」「もう2度と失敗したくない」「成功しそうな会社を知りたい」という3つの心理状況別に、「問題解決型」「潜在欲求型」「欲求充足型」のLPコンテンツを導き出しました。この3つの型は、現在の状況がプラスかマイナスかによってさらに細分化しています。(今回の例では、プラスは失敗経験がないユーザー、マイナスは失敗経験があるユーザー)
上記の心理図フレームワークを用いることで、サービス価値を伝える際の「相性(マッチングスポット=顧客に”伝わる”)」がイメージしやすくなります。

ー獲得が見込めるユーザーへの具体的なコミュニケーションの構築

それぞれのペルソナ(ユーザー)に対して、具体的なLPコンテンツを構成した上で、Web幹事にマッチングしCVRを最大化できる可能性のあるユーザーは、「もう2度と失敗したくないため、失敗を回避する具体的な方法を提案してくれる制作会社を求めるユーザー」という結論に至りました。そのユーザーには、パーソナライズを重視する相談解決型LPが適しており、失敗を回避する具体的方法をLPコンテンツ上のコミュニケーションで伝えていきましょうというご提案をしました。
ユーティル様は広告運用を非常に早いPDCAサイクルで検証されており、成果が出ている配信LPが既にありました。そのLPとどのように調和をとっていくかも加味し、日々運用のご状況をお聞かせいただきながらターゲット選定を行っていきました。

ー提案を受けて、ユーティル様が受けた印象をお聞きしました

峯村: ナノカラーさんにご依頼して1番印象的だったのは「一次情報」を集めるところです。これまでの実績で、ノウハウをたくさん蓄積されていると思うんですけれども、パターンに当て込むことなく、「ペルソナ理解のために情報が不足している」という判断から、充足するためのアンケートも実施いただきました。膨大なリサーチから私たちの事業に対する解像度をすごく高めてくださり、実態にあわせた仮説作りに時間を割いてくださる制作会社なんだなと感じました。
あと、これはナノカラーさんにお声がけさせていただいた理由の方に入るのかもしれませんが、ご依頼前に制作実績を拝見しており、これだけのデザインクオリティを担保してくれるのであれば、デザインについてはまず問題ないなと思ったんです。
LP運用にあたり、変数となる要因はできる限り無くしたいと考えていたので、デザインのクオリティが担保できていないと、変数がひとつ増えてしまうと懸念していました。なので、デザインについては信頼できる制作会社様にお願いしたいと思っておりました。

7.デザイナーとして求められている領域とは
おさえるべき領域とやらない領域を言語化し明確にする。

リ: デザインにあたり、マスで押さえるべき領域と、ユーティル様を体現する領域を押さえた上でデザインポジションマップを作成し、見せるべきビジュアルを言語化しています。私たちは制作会社でありながら「マーケティング支援」を大切にしているので、「ユーザーがサービスに価値を感じるポイントはどこか」という視点と、「ユーザーに対して必要なクリエイティブのクオリティ(品質)」という視点の両立は欠かせません。
今回特に留意した部分は、トンマナ情報量です。あまりに情報量が多すぎると、コンテンツの内容を読まないユーザーが増え、情報摂取しないまま問い合わせしてしまう可能性があります。前後の情報量のバランスも加味した上で、絶えず読み込まなければいけないストレスを軽減するようにしました。トンマナは、「やらない領域」という形でルールを設け、やらない理由もしっかり明確にしています。オレンジはオーガニック流入の多いユーティル様のコンテンツサイトのカラーであり、再訪問時に想起しやすいカラーでもあるので、サービスの連続性と、色とブランド想起の関連性を高める狙いで、メインカラーに採用しました。

8.事業提携の狙いは

ーユーティル様とナノカラーは、Webサービス支援を目的とした業務提携を締結しました。

峯村: お客様の「探せない」という悩みをどのように解決すべきか考えた時に、制作会社様と協力して一緒に解決していく方が、お客様への価値を最大化できると考えております。お客様側が探せないことで生まれる負の部分は、制作会社側の問題にもつながります。ひとつは「対応コスト」がかかること。もうひとつは断り続けることによる「レピュテーションリスク」です。
ナノカラーさんは、データ分析に基づく改善施策のご提案を得意とされているので、はじめてLP制作を検討しているお客様が、ファーストステップとしてナノカラーさんにお願いしてもフィットしないケースもあると思うんですね。であれば、私たちからそのお客様に対して、別の制作会社様をご紹介させていただく。そうすることによって、お客様の事業成長に貢献できればいいなと考えています。制作会社にはそれぞれ得意領域がありますので、お客様が事業成長し、次のステップとして別の制作会社を検討されるときに、では今度はナノカラーさんに、と私たちがバトンをお渡しできると思うんですね。
お客様からしたら、最初の入口ってわからない部分も大きいと思うので、Web幹事は入口をお手伝いさせていただき、制作会社と一緒にお客様の成長を見守りながら、次の課題を解決したいときに、また成長をお手伝いできるような関係を築いていきたいと考えています。
山下: ユーティルさんの考えは、制作会社にとって非常にありがたいというか、まさに制作会社に還元していただいている思想だと思いました。自社に来たリードは「自分たちだけで抱えておきたい」みたいな欲が、制作会社の本音として少なからずあると思うんです。ではなぜそのリードをWeb幹事へお渡しするのかと考えた時に、先ほどのレピュテーションリスクはもちろんですが、自社にフィットしないお客様を無理やり自社の条件にフィットさせることって、ものすごく大きいリスクだと思うんですよね。目的から外れて、不要な制作物に予算を投じ、無駄な出費をしたりして、結局制作中に揉めたりとか、プロジェクトがうまくいかなくなるデスマーチに陥る可能性もあります。でもこれって、本来であれば、最初に期待値をすりあわせたり、コントロールしておけば回避できる問題だと思います。であれば、自社にフィットしないお客様には「受けられません」と言える選択肢を持っておく。その上で、その理由は正直にお客様にお話しして、別の制作会社に解決してもらう。そしてまた発注をご検討されるときにご相談いただいて、今度はフィットするようであれば、お取り組みに繋がる場合もあると思います。このようなケースはたくさんあるはずなので、たくさんの制作会社にWeb幹事を知っていただきたいなと思います。
私自身の業務の話になりますが、例えばバックオフィスの業務フロー改善を図るときに、新しいツールの導入や、誰かに協力してもらうことを選択肢として考えるのですが、現状の自社のフェーズ的に、これだけの費用をかける必要があるのかとか、導入したところでしっかり運用はできるのかとか、そういう問題にたびたび直面します。これは導入の発注金額が大きければ大きいほど悩みますし、より慎重になりますね。そのときに、社内に相談できるメンバーがいないと、ある意味孤独を感じることもあるので、一緒に考えてくれる存在がいることって、それだけで心救われる部分があります。
事業はずっと走り続けなければいけないので、「今はこれ」というような点での考えではなく、「今はいらないけど、次のフェーズではいる」というような、線で時系列的に繋いでご提案いただけるのは本当にありがたいです。

9.あとがき

今回のユーティル様とのお取り組みは、「制作会社の選定」について紐解いていったこともあり、私たちも制作会社の一員として学びが多く、改めて自社が置かれた状況を整理するきっかけとなりました。制作物は、あくまで企業課題を解決する「手段」であり、「そもそも制作物を作ることが必要なのか」ということも視野に入れてご提案されているユーティル様の考えは、ナノカラーの理念としても共通する部分がありました。
LP制作といっても、なぜLPを作るのかという「理由」やその先にある「目的」はお客様により様々です。制作物をつくることが目的化してしまわないよう、お客様が制作物を通じて解決すべき課題をヒアリングし、明確にすることで、依頼主企業と制作会社のミスマッチが減っていくものと考えております。
ユーティル様へのご提案では、発注時の「失敗体験」の声を集め、傾向を調査することで、ユーザー心理を分解していきました。BtoB事業では、BtoC事業とは異なり、ユーザーレビューを抽出するハードルが高い傾向があります。ユーザーが求めるセールスコミュニケーションをとるには、ユーザー心理の分析が欠かせません。この一次情報を重視する姿勢こそが、BtoBマーケティングのポイントであると言えます。
ナノカラーでは、事業フェーズにあわせた改善施策のプランニングのご提案が可能です。
課題にあわせたリサーチ・データ解析支援によるボトルネックの発見、改善施策の提案〜制作など依頼主様の課題感に応じたプランニングを実施しております。お気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら

関連記事