育成方針/キャリア・目標設計/評価制度
1.育成方針
育成方針とは、あなたに課せられるルールのように感じられるかもしれません。しかし実態は、「ナノカラーで取るべき行動を先輩メンバーがどのように伝え模範となるべきか」というコミュニケーションの質を指します。
01.社内外問わず認識合わせのための時間を作る
ユーザーの数だけニーズがあるように、担当者の数だけ経験の種類・思考パターンがあります。そのため、分からないことは「分からない」、言葉ひとつでもどちらの意味を指すのか、といった会話を生み出します。
02.協働する
誰かの仕事を一緒にするには、ゴールや足並みを揃えるためにお互いの時間を貸し借りし合いながら物事を進めていきます。「なんだか違う」という抽象的なコミュニケーションではなく、代案を「具体的にはこういうことをすればいいのではないか」という代案を出し合い、お互いのナレッジを有効活用する行動を実践します。
03.施策は根拠に基づきロジカルであること
「なぜ?」を繰り返して追求し、縦にも横にも施策の可能性を広げて解に対する複数のアプローチの足場を固めるための会話を実践します。また、トレンドや流れの早いアドテクノロジーとの関わりが強い私たちの業務は、「完璧な絶対解」を遅く出すのではなく、「現状の暫定解」を早く生み出す会話を重視しています。
04.和を尊ぶ
趣が変わり、雑談などは相手の人となりを知るために大切な時間です。ゆるい時はゆるっとしていますが、そんな時でも他人が聞いて不快になるような会話をしない対等なビジネスパートナーとして良い距離感を保ちます。
05.状況を整理する
「ミスがあれば誰かのせい」という思考は事業を運営していく上で根本的な解決にならず、ナノカラーでは誰かを責め立てるような文化はありません。このようなケースでは、「ミスが発生しない状況を作る」「ミスを誘発するネットワークはどこにあるのか突き止める」という改善フローが組織運営にとって最適解です。そのため、問題が起こればすぐに改善・ドキュメント作成・さらに改善というサイクルを繰り返すことで、安心して業務を進めていくことができるようになります。
2.キャリアの設計
デザイナーのキャリア
ナノカラーのデザイナーは、スペシャリスト・プロジェクトマネージャーどちらにもなることができます。個人でゼロから案件を制作〜分析をしたいメンバーはプランナーと兼任し、領域を跨いで活躍しています。個人で生きていく時代ではビジネススキルとして総合的な力をつけることができます。一方で、デザインを極めたいメンバーはデザインスピード・正確性・デザイン仮説について大量のアウトプットをすることができます。まずはあなたが何型に位置したいのか、面接時に聞かせていただけますとキャリアプランを一緒に考えさせていただきます。その後、業務を進行していき変更が必要であれば自分にあった軸を作ることができます。
プランナーのキャリア
ナノカラーのプランナーは、プロジェクトマネージャー・コピーライター・Webマーケッターのいずれにもなることができます。Webでの幅広い集客手法を身につける、セールスプロモーションを深く理解する、制作物の構成を誰よりも早く作り合意形成ができる、ナノカラーでは個人の特性に合わせてさまざまなタイプが活躍しています。
前述のデザイナー同様、あなたが何型に位置したいのか、面接時に聞かせていただけますとキャリアプランを一緒に考えさせていただきます。その後、業務を進行していき変更が必要であれば自分にあった軸を作ることができます。
3.目標設計・評価制度
ナノカラーでは、業務の実績に応じて振り返り(フィードバック)を実施する習慣があります。自己評価は反省点が明確になる一方で、自分のスキルは組織内で合格点に到達しているのか、また市場では相対的に希少な存在になれているのかが曖昧になります。そのため、ナノカラーは自己評価・他者評価を絶えず実施することで、業務の実績を自身のキャリアとして自信が持てるようにあらゆる評価制度を構築しています。
まだまだ人数が少ない組織のため、評価設計の基本は個別評価です。評価は月に1回マネージャーと必ず行い、また被評価者自身も目標や要望を提案する機会として活用することができます。これはナノカラーの文化として根付いており、人数が増えても可能な限り続けていきたいと考えています。
OKR
OKR(Objectives-Key Result)を会社レベル(売上・顧客数等)・事業レベル(チーム体制・プロジェクト進行等)を経営層が作り、これに紐づくOKRをメンバーレベルで作成します。四半期ごとに達成度合いをお互いに確認し合って、達成度に応じてポジションや役職を決定します。
360度評価
自分及び自分以外を点数化する評価です。従来は匿名性が一般的と言われてきましたが、ナノカラーでは実名性にします。匿名性の場合、例えばあるプランナーが新人デザイナーに改善評価がある場合、受け手である新人デザイナーは匿名だとどのような状況に対して改善評価のことを指しているのか曖昧になり、意味をなさないと考えています。そのため、改善意見・高評価意見ともに択一式以外にコメント式での記入も可能となっています。
フィードバック
自身の成長をテキスト情報に残すことは自身の成長速度が理解でき、客観的な声量速度を把握することで後輩の指導・育成にも役立てることができます。
KPT会(案件単位)
案件が納品または運用終了となった際にプロジェクトメンバーで実施します。案件の良かった点・悪かった点をスプレッドシートに蓄積することで、今後の成果改善やリスク回避のナレッジとして蓄積されるためメンバーの足跡は知的資産となります。
【コラム】育成方針ができた経緯
ナノカラーの育成方針と自身のキャリアの接点は何か?と絶えず考える機会を作って欲しいという思い
市場の価値は相対評価と絶対評価の2面性があります。ナノカラーの軸足は「エンドユーザー第一主義」、そして「制作会社」というポジションは先5年間は変わらない予定です。ただし、育成方針の基礎はナノカラーだけに通用する育成はせず、どのような職場環境に行っても通用するスキルを重視し育成したいと考えています。そのため、今回お伝えする育成方針というのは「市場の中の自分」「ナノカラーの中の自分」という両側面を行ったり来たりしながらあなたのキャリアをじっくりと考えながら読んでいただけると、ナノカラーの育成方針をご理解いただきやすいかと考えています。
「ナノカラーの育成方針」は「ありたい組織」と同義
社内における価値と、市場における価値の2軸、そして相対評価と絶対評価の2軸で順序立てて習得に望んでいただきます。これらはあなたのポジショニング(位置取り)や自己評価・自意識を整える非常に有意な思考フレームであり、私たちも実践し続けています。絶対評価は明確な基準で運用されており公平性が高い評価であり、相対評価は組織や市場でのシェアを奪ってしまえば「困ったらあの人に相談だ」という特定の分野での第一想起を狙うための評価手法だと考えています。
ここでポイントなのは、絶対評価・相対評価どちらが良い・悪いというに軸での判断基準ではなく、バランス良く2軸の評価を追っていく、という思想がナノカラーの育成方針の土台にあります。
社内における絶対評価と相対評価
すでに経験者の方は、ナノカラーのクライアントのオーダー(注文項目)やリクエスト(解決要求)を身につけたテクニカルスキルで解決していき、仕事の報酬を得ることであなたのキャリアマップを埋めることができるでしょう。
しかしあなたが未経験の立場なら、仕事でつまずいてしまうこともあるでしょう。メンバーはみな温かく迎えてくれますが、入社当初は不安でいっぱいだと思います。「できること」が少ない時、会社は新メンバーに過剰な負荷をかけないために仕事の配分を他のメンバーより少なくすることがあります。社内の1日の仕事量に対して、スキルが及んでいない状態です。そんな時はあなたは焦る必要はありません。絶対評価で有意に立てないフェーズの時は、とにかく社内で「〇〇なら任せて欲しい」という立場を作ってしまえば良いのです。例えば、「朝一番早く来る」というスキルと関係のない「スタンス」を見せても良いですし、「クライアントのチャットは一番早く返す」でも良いです。
組織はお互いのことを知るために業務内で接している時間が最も長いと言われます。スキルでカバーできない領域は他の領域でカバーする、という精神を持つ人材はどの職場でも重宝されます。
市場における相対評価と絶対評価
ではあなたという人材・キャリアを考えた時に、働く場所はナノカラーだけではないはずです。今ではフリーランスという選択肢も当たり前になりました。自分の価値は移り行く市場の中で変動的な値段がつけられます。ナノカラーの場合、デザインの中でもグラフィックデザインやセールスデザインが得意ですが、構築を含むWebデザインや大型サイト案件は不得手です。これは一見不利なように見えますが、市場を母数とした絶対評価で考えた時には10年間で1,000本以上のLPを制作している企業はおそらく10社もいないでしょう。したがって、セールスプロモーションの制作実績における領域、では市場の中では優位なポジションを取れている可能性が高いと言えます。
絶対評価と相対評価の”両どり”ができるのが理想的なビジネスマンですが、まずは1から順番に身につけていくことをナノカラーではお勧めしています。広く薄く色々なところで良い顔をするよりも、まずはひとつの領域に絞って集中的に時間とエネルギーを投下する経験を行うことで、絶対的なテクニカルスキルと相対的なシェアNo.1を取ることができます。ナノカラーで働くうちに転職前のフラストレーションが無くなり張り合いがなくなった時や、会社の文化に合わなくなりモチベーションが下がる時、人は誰しも職場から離れることを選択肢に入れます。ナノカラーでは自身のキャリアマップを自身で責任を持って描くことがまず前提にあり、その上で会社を良い意味で「利用する」といった向き合い方がビジネスマンにとって重要なスキルだと考えています。