CVRとは?言葉の定義や計算方法、平均値を解説
CVR(Conversion Rate:コンバージョン率/読み:シーブイアール)とは、Webサイトやランディングページでの問い合わせ数・売上を向上させる上で「コンバージョンの獲得効率」を示す重要な指標のひとつです。
本記事では、「CVRの言葉の意味や、CVRの平均値を知りたい」「CVRをどこで確認すれば良いか分からない」といった課題に悩まれているのでは無いでしょうか。
・CVRの定義や平均値、基準値、目標値を知りたい
・CVRをどうやって向上すれば良いのか分からない
・CVRは何に影響を受けるか知りたい
Webマーケティングの担当者であれば欠かすことができない、CVRの言葉の理解や計算方法、またCVRの改善事例や、注意点、自社のCVR目標の立て方などを解説していきます。
目次
CVRとは?
WebサイトやECサイト、ランティングページの担当者になったら必ず押さえておきたい言葉のひとつです。ここでは計算式や言葉の意味を説明します。
言葉の定義・計算式
CVR(Conversion Rate:コンバージョン率/読み:シーブイアール)とは、ランディングページへ訪問したユーザーのうち、何人が問い合わせ数や売上に繋がる行動を起こしたか獲得効率を図る指標です。
ランディングページのCVRが高いほど、Webサイトへの流入数に対して効率良く成果を上げることができていると言え、一方で、ランディングページのCVRが低いほど獲得効率が悪いということが言えます。
CVRは、以下の式から導き出すことができます。
CVR(コンバージョン率)
=(ランディングページのCV数(お問い合わせ数・売上客数)÷ランディングページの訪問者数)×100
Webサイトやランディングページの目的は、コンバージョンをより多く達成することです。
そのため、コンバージョンの達成割合であるCVRはWebサイトやランディングページの集客効率を評価する上で、欠かせない指標となります。
CV(Conversion:コンバージョン|シーブイアール)とは?
コンバージョンとは、Webサイトやランディングページの訪問者が、サイトの目的としている問い合わせや売上につながる行動を行うことをいいます。
「サイトのゴール」という表現に例えると、イメージがしやすいかもしれません。「何をWebサイトのコンバージョンとするか」は自由に決めることができます。
「転換」を意味する英語が語源となり、マーケティング用語として広く使われています。
CVRの基準値・平均値の考え方
業界/業種ごとのCVRの平均とは?
CVRの平均値は1〜2%と言われることがありますが、業界や業種、また何の数を母数に置くかによって平均値は変わります。
そのため、平均値や業界の基準値はあくまで参考として留めておき、Webサイトやランディングページの目的を達成するために、自社が目標とすべきCVRを設定することが重要です。
世界的な傾向 – CVRは全業種で下がっている
オンライン広告が世の中に登場してから十数年以上経過し、昨今のコロナ情勢から全世界的にオンラインでの市場が大きく拡大しています。
アメリカのマーケティングエージェンシー「Wordstream」が調査・研究したデータによると、検索広告においては全業種において「平均CVRは低下傾向」にあり、「平均CTRは上昇傾向」であるという結果を発表しています。
(業種別)検索広告のCVR比較データ<2021年・2022年対比>
画像引用元:Why Your Conversion Rates Are Down + 6 Things You Can Do About It|WordStream
(業種別)検索広告のCTR比較データ<2021年・2022年対比>
画像引用元:Why Your Conversion Rates Are Down + 6 Things You Can Do About It|WordStream
CTR(Click Through Rate:クリック率|シーティーアール)とは?
クリック率とは、広告を表示した回数のうち、広告が何回クリックされたかを割合で示した指標です。
広告での訴求をテストする際に市場のユーザーの反応率を示す重要な指標であり、興味関心の割合を測ることができます。
現代のようにオンラインに情報が溢れる前の時代は、「買い手よりも売り手の方が相場・商品知識を持っており、情報の量や質が買い手に偏っている」(情報の非対称性)と言われてきました。
しかし、スマートフォンが普及しユーザーが容易に商品情報にアクセスしたり、サービスや商品の評判を集められるようになったため、今や「ユーザーが過ごす人生の時間の中に、いかに長い時間接点を持ち続けることができるか」という視点から、短期間のCVRではなく、中長期的なCVRを考慮しておくことが重要と言えます。
日本の傾向 – 世界の動きに追従するか?
日本はアメリカの後に遅れてオンライン広告が入ってきていますが、スマートフォンの加速度的な普及によりユーザーのオンライン行動の距離の差は小さくなっていき、いずれはCVR・CTRも近しい動きをする可能性があります。
ただし、アメリカと日本では市場環境や企業数、またユーザーの生活様式や文化が異なるため、全く同じにはならないでしょう。
同じ日本の市場の中でも、自社・競合・市場/顧客環境によって、刻一刻と変わってきます。
他社や市場のCVRの平均値を知ることはWebマーケティングにおけるコンバージョンの最適化には重要ですが、一方で自社の事業の売り上げにとって適切なCVRを設定できる力はどの国・どの企業にも共通して欠かせない領域となってくるでしょう。
CVRでわかる!WebサイトやLPの”獲得効率の良さ”
CVRはWeb施策においてなぜ重要なのでしょうか。
特にWeb広告では「CVRが上がる」「CVRが下がる」という現象が何を意味しているのか、一般的な例を用いて解説していきます。
CVRが高い=獲得効率が高い
Webサイトやランディングページへの集客効率(送客効率)が高いといえ、広告の費用が効率良く利用できている可能性が高いと言えます。
また、広告・ランディングページのコミュニケーションに分断が少なく、コンバージョンの達成が適切にできている状態と言えます。
コンバージョン数をどんどん増やすことでCVRを向上することができます。
CVRが低い=広告・ランディングページの獲得効率が低い
一方で、Webサイトやランディングページへの集客効率(送客効率)が低いといえ、広告の費用が効率良く利用できていない可能性が高いと言えます。
さらに、広告・ランディングページのコミュニケーションに分断が発生しており、コンバージョンの達成が難しい状態と言えます。
コンバージョン数が減ってしまっている原因を発見し、解消のための改善を実施することでコンバージョン数を増やすことができ、結果としてCVRを向上することができます。
CVRを流入経路やページごとに確認する方法とは
CVRは、分母に何と置くのかによって確認する場所や方法が変わります。
CVRの分母は「流入経路からWebサイトやランディングページへ訪問した合計数」ですので、「Webサイト全体や特定のランディングページのCVRを知りたいか」、「広告からの流入のCVRを知りたいか」によって見るツールを変えていきましょう。
(1)Webサイト全体や特定のランディングページのCVR確認方法
Google Analytics
サイト全体、サイトのページ・広告用ランディングページや特定の記事を見たいときには「Google Analytics」という効果分析ツールを利用します。
あらかじめ、Webサイトや全てのページに計測ツールを入れておきましょう。
画像引用元:Google Analytics(UA)
なお、Google AnalyticsでCVRを確認するためには、あらかじめ「コンバージョンの設定」が必要です。
Webサイトやランディングページの「コンバージョンとする目標地点」を定めておきましょう。
具体的には、問い合わせフォームのサンクスページや、購入フォームの購入完了ページなどのURLを目標地点とおくことにより、CVRを計測・確認することができます。
CVRを「全てのページ」や「サイト全体」で判断するのではなく、まずは「各ページ」で細かく数字を追うことで、CVRが高いページ・CVRが低いページを把握することができます。
例えば、会社概要ページやプライバシーポリシーページのように、事実情報の提供を目的としているページは、CVRが低い傾向にあり、CVRの良し悪しの判断から外すべきでしょう。
その上で、CVRが低いページコンテンツにはユーザーが離脱してしまう原因が必ずあります。
まずは優先して改善すべき課題を特定し、CVR改善のために「どのページから優先して手をいれるべきか」を決定するためにも、CVRを把握できるようにしておきましょう。
・Google Analytics(UA):到達ページ目標の設定例 ※2023年7月1日にサポートが終了予定。
・Google Analytics 4(GA4):[GA4] コンバージョンの設定
(2)流入経路・広告からのCVR確認方法
広告の管理画面では、広告からWebサイトやランディングページに流入したユーザーのCVRを確認することができます。
Google Analytics同様に、あらかじめコンバージョンの設定が必要です。
以下に手順を詳しく説明しているページをご紹介します。
Google広告・Yahoo!広告・meta広告(facebook・Instagram):公式ヘルプページ
◆Google広告:コンバージョンの設定方法・CVRの確認方法
コンバージョン トラッキングのステータスに関するトラブルシューティング
◆Yahoo!広告:コンバージョンの設定方法
コンバージョンを計測する
CVRの確認方法
コンバージョン測定データの確認方法
◆meta広告(facebook・Instagram):コンバージョンの設定方法・CVRの確認方法
コンバージョン
上記以外の広告媒体についても、各社の公式ヘルプページが充実しています。
広告施策を行うランディングページでは、広告媒体ごとのCVRを確認することで、適切な予算配分の判断材料となり、CVRが高い広告媒体に配信を強化することができます。
CVRをユーザー行動ごとに確認する
コンバージョンをユーザー行動段階ごとに細分化してみる視点も重要です。
CVRは、1人のユーザーがWebサイトやランディングページに訪問してからコンバージョンするまでの指標ですが、コンバージョンに至るまでに「何人が」「ページのどこで」離脱してしまっているのかを明らかにし、離脱を解消することによってCVRを高めることができます。
先ほどの流入元ごとに見る視点と合わせて、ユーザー行動ごとのCVRを見ることでより早く、また確実にCVRを改善するための2つのポイントを見ていきましょう。
(1)「CVR」は1ページ内の小さなアクションの積み重ね
例えば、Webサイトやランディングページでは問い合わせや購入に繋がるオファーボタンのクリック数を最大化することがCVR向上に直結します。
オファーボタンをより多くのユーザーに押してもらうためには、ページの中のオファーエリアに到達するユーザーの数を最大化することで実現できます。
このように、CVRを構成する要素を分解していき、ユーザーがオファーエリアへ到達する前に離脱していまうようなボトルネックがあれば、コンテンツを入れ替えたりページの内容を理解しやすい情報を追記するなど改善する作業を続けることで、ページのCVRを向上することができます。
(2)1人のユーザーの動線全体をみてみよう
コンバージョンは、Webサイトやランディングページが目的としているコンバージョンポイントを設定したページまで辿り着くことで、「コンバージョン1件」とカウントされます。
先ほどは1ページのうち、どこでユーザーが離脱しているのか?という観点からCVRを構成する要素を説明しましたが、さらにサイト全体を俯瞰して、「サイトに流入してからどこで離脱してしまっているのか」を把握することで、サイト全体のボトルネックの改善をすることができます。
指標の意味、Webサイトの目的にあったを測定する重要な指標
ここからは、コンバージョンの獲得効率を考える上で「費用対効果」が語られやすいWeb広告に絞って説明します。
まず前提として、「いくらCVRを高めても、事業の売上に繋がるコンバージョン数が低ければ、事業が成り立たない」ということを理解しておきましょう。
「CVRが低い」は「何と比較して低いのか」で語るべし!よくある判断指標と検証ポイント
例えば、自社で1件100,000円の商品を販売しているとしましょう。
CVRは高くなければいけない…そう考えたあなたは、”絶対に買ってくれる人”にだけ広告を狙い撃ちした結果、サイトへは10人訪問し、1件購入してくれました。
このとき、CVRは10%となります。
このCVRは冒頭で紹介したCVRデータにある業種の中でもかなり高いグループに入り、比較的CVRが高い、と言えます。
ところが、今月はこの1件しか売れていないので、100,000円の売上しか上がりませんでした。
あなたが事業責任者だった場合、来月もCVRを高めることだけに集中すべきでしょうか?
上記の例は極端ですが、CVRを語る際は必ずコンバージョン数の視点も入れた上で、現在のCVRが事業にとって合格点(広告費用ー売上=プラスの利益)にあるのかを必ず押さえておきましょう。
目標の売上が達成できており、広告費などの経費を引いても利益が残っていれば、それがベストなCVR
「費用対効果が良くコンバージョンが獲得できている状態」かどうかは、コンバージョンが自社の事業に売り上げを残し、支払った広告費用以上に収益を上げることができているか、という視点を必ず押さえておきましょう。
自社の施策にとって、費用対効果を合わせながら売り上げを上げていくことは重要です。
「平均のCVR」や「基準のCVR」に囚われてしまうと、自社の事業にとって良い影響をもたらさない施策を続けてしまうかもしれません。
この考え方を念頭に起いた上で、CVRと向き合う上でよくある間違いを具体的なケースを用いて紹介します。
目標CVRを決める時の3つのポイント
広告の成果を語る上でも欠かせないCVRですが、CVR単体では「Webサイトやランディングページに流入したユーザーのコンバージョン数の効率」を把握することができます。
しかし、CVRだけを見ても、費用対効果の測定指標とはならない点に注意が必要です。
・分子がそのままで分母の数が大きくなればCVRは小さくなる
・分母がそのままで分子の数が大きくなればCVRは大きくなる
以上を踏まえた上で、CVRの目標を決めたり見直す前に、次の3つの項目をチェックしよう!
①流入コストが合っていない(CVRの分母が少ない)
流入コストとは、1人あたりの流入費用のことを言います。
Web広告の場合、クリック単価やインプレッション単価によって課金がされる形態が主であるため、クリック単価を低く抑えることが重要となります。
そのため、クリック単価が高いと感じているなら、広告のクリック単価やインプレッション単価を下げるための施策を実施しましょう。
具体的には、広告の配信対象者を絞り込むと競合との激しい入札が発生するので、オーディエンスを広げる施策に転換したり、クリック単価を下げて流入数を上げつつ、同時に広告のクリック率を上げる施策へ切り替えます。
これにより、CVRの分母である「Webサイト・ランディングページ訪問数」を上げることができるので、流入コストを低く抑えることができ、「送客数の費用対効果」が改善されたと言えます。
ただし、分子であるコンバージョン数に増加がなければ、分母の数が上がった分、CVRは低下します。
そのため、Webサイト・ランディングページでのコミュニケーションを最適化し、コンバージョン数を増やしていき、CVRも上がっていきます。
②コンバージョン単価が合っていない(CVRの分子が少ない)
顧客獲得単価(CPA:Cost Per Acquisition)があります。
顧客1人を獲得するためにいくらの広告費を使ったかという意味であり、低ければ低いほど1人あたりの獲得の費用対効果が高いと言えます。
1人あたりのコンバージョン単価が高いと感じているなら、支払った広告費用に対してコンバージョン数が少ない状態かもしれません。
顧客獲得単価は、以下の式から導き出すことができます。
顧客獲得単価(CPA)
=(ランディングページのコンバージョン数(お問い合わせ数・売上客数)÷広告費用)×100
この場合は、広告訴求とランディングページの訴求が一致しておらずお互いのコミュニケーションコストが高い状態が考えられます。
CVRをどれだけ高めても、CPAが収益目標を達成できなければ事業として存続は難しい事態となります。
「今はCVRを上げるべきか」「CPAを下げるべきか」を見極めながら、自社にとって最も最適なCVR・CPAのバランスを取ることを心がけましょう。
「CPAが合わない」とは、売り手・買い手の両方に不幸せな状態かも?
費用対効果が悪いという状態は、広告主にとっては"金銭的コスト"として、読み手には"読んで時間の無駄だった=精神的コスト"として、双方にかえってきている結果だという解釈をすることもできます。
マッチングする相手や、サービスからのコミュニケーションの不一致を解消するために、CVR最適化だけを実施するのではなく、コンバージョン単価を最適化する戦略に変えてみましょう。
具体的には、「CPCを下げて流入数が下がるなら、CTRを上げて結果的にCPAを合わせる」という戦略をとることができます。
この場合、戦うべきはCVRを下げにくい直接的な競合ではなく、潜在的な脅威を持つ代替競合となります。
同じキーワードや順位を争うケースが少なくなるため、CPCを低く押さえてランディングページに送客しつつ、CTRを上げることで最終的にCPAを合わせることができます。
③ROAS(広告の費用対効果)やLTV(顧客生涯価値)が合っていない、事業損益が合わない(CVRの分母・分子ともに少ない)
ROAS(Return On Advertising Spend|アールオーエーエス、ロアス)とは、支払った広告費に対して売上金額の効率指標を良い、単位は「%」で示されます。
広告費用と広告による売上を比べる際に用いられ、数字が大きいほど、使用した広告費用に対して売上金額が大きくなる特徴があり、広告投資効果が合っていると言えます。
LTV(Life Time Value|エルティーブイ、ライフタイムバリュー)とは、1ユーザー(1人あるいは1社など顧客の最小単位)の顧客が、企業のブランドと新しく購入や取り引きを開始してから終了するまでに特定の期間で生み出した利益を算出する指標です。
企業活動では、売上をただ上げるだけではなく、販管費などの広告宣伝費や人件費などの必要経費を差し引いた残りが利益として残ります。
広告での新規売上創出をしても、目標としているROASやLTVに満たなければ、利益が残らず損失が残ってしまいます。
もしあなたが広告施策で利益を創出することができない場合、適切なCVRを設定できていないだけではなく、事業戦略における広告施策の優先順位の見直しが必要かもしれません。
事業戦略における広告施策の見直しポイントの一例
・CVRは目標に届いているが、事業の利益が上がらず赤字であるケース
→新規の顧客獲得費用(CPA)をROASやLTVなどの指標よりも最優先にしているため、利益を生み出す顧客を獲得できていない状態
→ユーザーの初回導入コストを下げすぎて、F2転換や継続利用など企業の顧客維持コストが高い状態になっている
→ユーザーにとって初回お申し込みや問い合わせの精神的なハードルが高くROASやLTVが合っていない場合、初回導入コストを下げる必要がある。
CVRが影響を受ける2つのケース
(1)自社の施策による影響
①サイトへ流入する数が変わる
ニュースサイトやメディアの紹介などにより、会社名やブランド名での検索からの流入数が一時的に増加するケースがあります。
コンバージョン目的の方以外にも、どんな会社なのか、どんなブランドなのかという興味関心を基点とした情報収集目的での流入比率が高まり、分母が大きくなるためCVRが下がるケースもあります。
また、広告配信量の変化やオーガニックでの順位の変化によっても分母が大きくなります。
CVRを高い状態で保ちたい場合は、施策を実施する際はただ流入数を増加させることを目的にせず、コンバージョンをしてくれる見込み高いユーザーを多く集客できるように広告・ランディングページが連動したコミュニケーションを整えておきましょう。
②流入ユーザーの動機・行動が変わる
広告の目的や広告訴求を変えることにより、Webサイトやランディングページに訪問するユーザーの目的やサイト内の行動変わります。
これにより、訪問数やコンバージョン数が変わり、CVRも変化することがあります。
【ランディングページ最適化とは?】
企業のWebサイトの目的である問い合わせ数・売上をアップするためにランティングページの問題点を改善することを「LPO(Landing page Optimization:ランディングページ最適化)」といいます。
●LPO施策の一例
・ランディングページのコンテンツを追加・削除を行う
・デザインやコピーライティングなどの表現・トンマナを変える
・オファーボタン(問い合わせや購入に繋がるボタン)の内容を変える
・Web広告・ランディングページの記載内容やコミュニケーションを一致させる
・ランディングページを構成する文脈・流れを組み替える
成功するLPO”を実現するためには、「仮説立案の実施」「ヒートマップの理解」「CVRとランディングページ内の行動の相関関係を探る」という3つの視点が欠かせません。
「CVR改善」のためにランディングページをやみくもに変更し、かえってCVRが悪化してしまう…といった事態は非常によくあるケースです。
LPOを実施する際に押さえておくべきポイントを成功事例を交えて以下の記事でご紹介しています。
<参考記事>「【事例付】LPOとは?基礎からおすすめツールも徹底整理」
先ほどのケースと同様、コミュニケーションの分断を生まないために、ユーザーの期待値をランディングぺージ上で一致させる情報の質・量を担保しておき、CVRを高い状態に引き上げましょう。
③サイトのゴール(コンバージョン)が変わる
企業のWebサイトの目的である問い合わせ数・売上をアップするためにランティングページの問題点を改善することを「LPO(Landing page Optimization:ランディングページ最適化)」といいます。
自社サイトからコンバージョンが増えない場合、ユーザーが求めている商品やサービスの価値を伝えられていない、理解されていない状態であると言え、ユーザーはコンバージョンに対してコストを支払いたくないと考えているかもしれません。
「早く儲けたい」という気持ちをグッと堪えて、キャッシュポイントから離れたコンバージョンを設定することが重要
例えば、業務効率化ツールを販売しているWebサイトがあり、ユーザーは競合商品も含めさまざま情報収集をしている仮定だとしましょう。
その行動の中で訪れたWebサイトでは、「今すぐ購入」というオファーボタンしか存在しておらず、まだたくさんのツールを比較したいユーザーの心理からすると、すぐに購入を決定することはできません。
このケースでは、例えばより比較しやすいように「ツール紹介資料のダウンロード」をコンバージョンに置いたり、またツールを比較している中での疑問や質問に応える「無料相談」をコンバージョンとするなど、複数のコンバージョンを設定することができます。
これにより、「購入・販売」という金銭的・精神的コストをユーザーに要求するのではなく、「無料・検討材料のひとつに詳しい説明資料の提供」という比較的低い精神的コストを提示することで、ユーザーの緊急性や必要性、コスト感とマッチしているコンバージョンポイントを作ることができます。
資料請求はすぐに事業の売上を増やすコンバージョンではありませんが、ツール導入を検討中のユーザーはいずれどこかの企業でツールを購入する可能性は変わらないため、「せっかく購入するならXX社(自社)が良い」と選んでもらえるコミュニケーションを置くことで、事業の売上を最大化させる観点では有効に働く可能性が高いケースがあります。
CVRを向上するためには、ユーザーのコストをより低いものに、またユーザーの緊急性・必要性をコンバージョンポイントに合わせていく、という視点を持つことが重要です。
自社のキャッシュポイントに近いコンバージョンポイントのCVRが改善しない場合、上記のようなキャッシュポイントから離れたコンバージョンポイントを新たに用意しておきましょう。
(2)競合の施策による影響、市場、顧客状況が変わる
①流入するユーザーの数や質が変わる
市場環境においては、ユーザーは自社の商品を選んでくれることもあれば、競合他社の商品を選ぶこともあります。
先ほどの自社の環境のように、競合企業・ブランドがニュースサイトやメディアの紹介などで取り上げられると、競合のWebサイトやランディングページの流入は増加します。
仮に市場にいるユーザーの人口が一定であり、自社と競合他社の商品がどちらかしか利用されない場合、決まった人口の中から人を奪い合うことになります。
これにより、競合サイトの流入数が増え、自社サイトの流入数が減る場合もあります。
逆に、競合と近しい商品・サービスを扱っている場合は、比較検討するユーザーの人口が増え、自社のサイトの流入数が増える場合もあります。
これらと同様、競合の広告配信量の変化や、オーガニックでの順位の変化によっても影響を受けます。
自社が狙いたいユーザー(ターゲット)が競合に奪われCVRが低下してしまう前に、CVRを常に向上し続ける施策を打っておきましょう。
②流入ユーザーの目的が変わる
こちらも自社施策と同様に、競合の広告目的や広告訴求の変化によってユーザーに新しい刺激が入り、ユーザーが摂取する情報が変化していきます。
これにより、従来の市場よりも商品やサービスに対する期待値が上がったり、価値に感じるポイントが変化していきます。
流入ユーザーは新しい商品やサービスから常に刺激を受け、認識や選択肢が変化していく一例
スマートフォンは、「画素数の高いカメラ」が今や当たり前になっています。
例えば、カメラの機能が充実する前は、「なるべく画素数の高いカメラがついているスマートフォンを選びたい、買いたい」というニーズが存在しているとします。
新たなスマートフォンが発売されるたびに画素数の高さで争い、カメラの質を重視するユーザーの市場では、常に「画素数が高い」という機能的価値(商品が持つスペック)で購買選択をされてきました。
しかし、一定の画素数まで引き上がるとスペック面では各社差がつきにくくなってきます。そうなると市場では「画素数が高い」が当たり前となり、差別化が難しくなってきます。
そこで次には、カメラのレンズの大きさに影響されやすい「焦点距離」という機能に映っていき、より広角に、より人間の目で見た景色に近づけていく、というスペックに価値を感じるユーザーが増えていきます。
そしてついには、広角レンズがついているデジタルカメラを買おうか検討していた人が、より広角なスマートフォンを購入することも選択肢に入ってきます。
このように、デジタルカメラ市場にまでスマートフォン市場が食い込んでくるという構図は、ある種異なる市場からの参入であり、既存市場にとっては潜在的な脅威となり得ます。
ユーザーが同じ「広角で撮影したい」という価値を感じている競合であると言えるのではないでしょうか。
また合理的機能(スペック)が同列でも、撮った写真をすぐシェアすることはカメラ単体ではできず、スマートフォンと比較すると情緒的価値の点で競り負けている状態になります。
このようにユーザーの認識や別市場の同価値競合が登場すると、自社のWebサイトやランディングページのCVRは、徐々に影響を受けていくことを覚えておきましょう。
同じ市場・近しいセグメントのターゲットを奪い合う構図になると、比較検討をされる状況が増えていき「1回の訪問をしてもコンバージョンをしないケース」が増えるケースがあります。
Wenサイトやランディングページ上で、ユーザーに対して「選んでもらう理由」を増やすコミュニケーションを増やしたり、「選ばれない理由」を減らしていくコミュニケーションをとることが十四です。
比較検討されている競合商品・サービスのウィークポイントを解消できる情報の提示を行うことで、ユーザーの懸念が払拭しCVRの向上を実現できることがあります。
よくある質問
CVRの基準はどれくらい?
CVRは1-2%とも言われますが、明確な基準はありません。業種・業界ごとの平均値はこちらをご覧ください。
CVRとCPAの違いは?
CVR(コンバージョン率)とは、ランディングページに流入したユーザーのうち、コンバージョンの数を示す割合を言います。
CPAは、コンバージョン1件あたりにかかった広告費用を言います。
CVRは広告・ランディングページの獲得効率の指標、CPAは広告費用対効果の指標として用いられるケースが多いです。
CVRを改善できるツール
こちらの記事で紹介しています。目的や予算を比較し、CVRの把握ができた後でランディングページ内のユーザー行動の現状把握をしてみましょう。
ナノカラー取締役|マーケティングコンサルタント。広告系ベンチャー企業の営業職・運用を経て、 2019年プランナーとしてナノカラーに入社。 広告運用の視点を用いたランディングページ制作・戦略ディレクションを経験。オウンドメディア責任者|一緒に働くメンバー募集中→https://onl.bz/fnNeBag