【プロが解説】売れるLPとは?構成やNG項目、改善方法を解説

LPの制作方法を調べながらやっと完成したLPをローンチしたが思うような結果が出ないとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

制作中の段階では「LP 制作方法」「LP 作り方」など情報取集も実施されたのではないかと思います。

・LPの鉄板の構成を抑えているのに思うように成果がでない
・LPのどこに悪いところがあるのかわからない

webマーケティング担当者であれば一度は悩んだことがあるかもしれない悩みを踏まえて、「売れるLP」とは何かを解説していきます。

売れるLPとは?

まず初めに、LPで売れるための確実な方法は存在しません。

ただし、結果的に「売れた」LPは存在します。

売れたLPはどんな制作方法、内容なのかを部分的に踏襲することで、売れない状況は脱却できる可能性があります。また、売れるためにやってはいけないことも倣うことが可能です。

また、前提としてLPは完成したらゴールではなく部分的に改善・改修し、育んでいくことで「売れた」状態になるということも念頭に置いておきましょう。

そもそも「売れる」の定義は?

そもそも、どのような基準を満たせば「売れた」と判断できるのかを考えてみましょう。

LPを使ったダイレクトマーケティングでは、CVR(獲得率)が指標とされている場面がよく見受けられます。しかし、CVRが改善してもCV数(獲得数)が悪化していた場合、売れたという結果ではなくなってしまいます。

このように「売れた」を定義するための構成要素は他にも考えられます。

・CVR
・CV数
・CPA

達成したい数をあらかじめ設定しておき、達成したい数と比較して相対的に売れたか売れていないのかを判断していく必要があります。

ちなみに、CVRの平均値は1〜2%と言われることがありますが、業界や業種によって平均値は変わります。

もちろん、一般的なCVRの平均値と比較して売れたのか売れていないのかを判断することもできますが、その商品・サービスの認知度や広告予算などの外的要因によってCVRが大きく左右されてしまうこともあります。

そのため、一般的なCVR平均値がそもそも比較対象としてふさわしいのか?という観点も忘れずにチェックしていきましょう。

【さらに詳しく】CVRとは?

CVRの計算方法や、平均値・基準値・目標値など、Webマーケティングの担当者であれば必ず抑えておきたい内容を詳しく解説しています。
CVRについての理解が深まったものの、自社のCVRはどのくらいの目標値を立てるべきか?

結論として目標の売上が達成できており、広告費などの経費を引いても利益が残っていれば、それがベストなCVRです。その上で、目標を設定するために必要なポイントも解説しています。
<参考記事>CVRとは?言葉の定義や計算方法、平均値を解説

なぜ売れないのか?

では「自社のLPがなぜ売れないのか」を考えてみましょう。

よくあるLPの構成やストーリーとしては、ファーストビューがあって「こんなお悩みありませんか?」と自分ごと化を促すコンテンツがあり商品のベネフィットを伝えてクロージングするという流れが鉄板です。

売れるLPに必要な鉄板構成は抑えてあるのに、なぜか売れない。

このような状況が発生してしまうのは、抑えるべきことの解像度が低いことが原因になっている可能性があります。

まずは、ターゲットとなる人の解像度を高く持った上で、LPのコンテンツを考えていきましょう。

・ファーストビューではターゲットとなる人が欲しい情報を伝えられていますか?
・「こんなお悩みありませんか?」は他社LPと近しい内容を伝えていませんか?
・LP訪問者がその商品・サービスでないといけないと思えるストーリーになっていますか?

ターゲットの解像度を高くした上で、上記の内容を考え直してみると、LPの文脈やコピー・メッセージを変えた方がいいのでは?という箇所に気がつくかもしれません。では具体的に、どのような方法で解像度を上げていくのか解説していきます。

解像度を上げることが結果的に売れた状態に繋がると考えられます。

売るために抑えておきたい4つ設計

「売れない」から脱却するために、必ず抑えておきたい内容を紹介します。既に抑えられているという方は、どのくらいの解像度の高さで実施できていたかという観点でご覧ください。

1.基本の構成の流れを抑える

LPの基本構成を抑えておきましょう。

ですが、必ずしもこのような順番でコンテンツを並べる必要があるというわけではありません。この型を流用すればOKというわけではなく、重要なことは、

・LP訪問者が求めている内容が書いてあること
・読み進めると「この商品が今必要だ」という自分ごと化と購買意欲の喚起ができること

です。そのため改めて、ユーザーが何を求めているのかを調査しましょう。

2.ユーザーレビューから仮説を設計する

「1.基本の構成の流れを抑える」では、ユーザーが求めている情報を見せる必要があると解説しましたが、そのためにはCVして欲しいターゲットとなるユーザーへの理解と解像度の高さが求められます。

そこで気をつけておきたいのが、都合の良いターゲット像にしないことです。

自社の商品・サービスに価値を感じるユーザーとは?と考えたときに、CVしやすいユーザーに寄ったターゲット増を考えてしまうというケースがあります。

これは自社の商品・サービスを熟知しているメーカー担当者やマーケティング担当者だからこそ、起こってしまう事象です。もちろん、コアターゲットとしてそのようなターゲット像は大切にしつつ、そこに加えて解像度をさらに上げていくために、調査をした結果得られた事実を元に活用していく必要があります。

とりわけ、ユーザーレビュー調査は、レビューという事実から仮説を立てるための材料になり、ユーザー理解を深めるためにはピッタリです。

ユーザーレビューは、ユーザーの頭の中で言語化されたごくごく一部です。

そのためレビュー内容から、潜在的にどんな課題を抱えているのか・どんな欲求を満たしたいのかを考えてみましょう。自社の商品・サービスの消費を通じて、ユーザーが言語化できていない課題を解決する・欲求を満たせるということがLPで伝えられると「まさにこんな商品が欲しかった」という感情と期待感を想起させることができます。

例えば、クッションファンデーションが商材の場合、ユーザーレビューでは

・シミが気になっていた
・肌が明るくなりカバー力が高い
・崩れにくくヨレなくていい
・ひと塗りで綺麗に仕上がる

という評価があったとします。このような内容から言語化できていない課題や欲求を考えてみましょう。どのようなライフスタイルを送っているのか、習慣があるのか、メイクにかける時間はどのくらいなのかなど、SNSやアンケートデータも活用しながら考察していきます。

そうすると、潜在的な課題や欲求として

・本当はシミを消したいが、外出時は隠したい
・鏡を見るたびにシミが気になっていて憂鬱だ
・他人から若く見られたい
・人と会う時、ヨレてシミが目立っていないか心配だ
・綺麗に見られたいが厚塗りはしたくない

という言語化できていない情報を導き出すことができます。

3.自社・競合の商品/サービス評価を知る

ユーザーレビューから、潜在的な課題・欲求だけでなく商品・サービスの評価を確認しておくことも重要です。

低評価があった場合、

・何がネガティブに寄与したのか
・ネガティブを他の要素で払拭することはできなかったのか
・酷評だったのか、低評価だったのか
・低評価になった原因は、譲れない要素だったのか

など、低評価の要因を発見していきましょう。

このような内容は、ユーザーが購入するかどうかを判断するために気になる内容と捉えることもできます。また、レビューを見てから購入可否を判断するというユーザーも存在するため「低評価もあるけど実際のところどうなの?」と気になっているかもしれません。

そのような可能性がある内容はあらかじめ伝えておくことが懸命です。

高評価も同様に要因を把握していきます。さらに、何がきっかけで購入・体験・使用に至ったのかという動機も見ていくことで、競合他社と比較検討した結果なぜその商品・サービスを選んだのか?を理解することができます。

このような調査を自社だけでなく、競合他社の商品・サービスも見ておくことで、ユーザーから見た自社の強みを相対的に見つけることができます。

調査から得られた自社の強みは、実際のユーザーの評価によって抽出された情報であるため、LP上でどのような言葉で商品を魅せるべきかの解像度を上げることができます。

4.CTAを明確にする

CVに至るまでにユーザーが必ず通る道がCTA(Call To Action)です。

商品・サービスによって、購入ボタン・資料ダンロードボタンなど、さまざまなCTAを設定する必要があります。LPのデザインにCTAを落とし込むときの注意点として「ユーザーに選ばせないこと」が重要です。

CTAを複数設置してしまうと、ユーザーはどれかを選ばないといけない状況になります。

何を選ぶべきか既に明確になっているユーザーは、選択肢を用意されても迷わずに選ぶことができますが、初めてLPを訪問したユーザーがCTAに辿り着くまでの時間で何を買うべきか決断することは難しい傾向にあります。

そのため、迷ってしまった結果どのCTAも押さないという状態が発生してしまいかねません。どのCTAを押下して欲しいのか、つまり何をCVして欲しいのかは、明確に、かつ迷わないような見せ方であることが重要です。

5.広告配信で得られたデータを見て改善する

LPを広告配信してみて思うように結果が出ない場合は、どこかにボトルネックがある可能性があります。

そこで、まず始めに見たいのが広告データです。LP流入前のバナーやクッションLPを含めると、imp・クリック数・PV数・CV数・CTR・CVR・・・などさまざまなデータが溜まっていきます。

①CVRが低い
②コンテンツの離脱率が低い
③滞在時間が短い
④CPAが下がらない

など、あらゆる課題に直面した場合は、どこのデータをまず改善する必要があるのかを考えていきましょう。

【さらに詳しく】LPOで解決できること

ちなみに例にあげた4つの課題は、LPO(Landing Page Optimization | ランディングページ最適化)で解決することが可能です。

どうやって改善するのか?は成功事例も合わせて以下の記事で解説しています。実際の事例から改善方法だけでなく、LPOに取り組むためにとるべき体制やツールも紹介しています。
 「今のLPを改善したいけど何から始めたらいいのかわからない」という方は、ヒントを得られるかもしれません。

<参考記事>【事例付】LPOとは?基礎からおすすめツールも徹底整理

やってはいけない注意事項2つ

抑えておきたい内容の理解ができたら、やってはいけないことにも目を向けていきましょう。

①成功した事例をとりあえず取り入れてみる

成功事例をコピーしたら必ず成功するというわけではありません。

成功事例は、どんな状況でも成功する魔法のようなものではなく、あくまで1例であってその状況で成功した事例と考えると良いかもしれません。なぜ成功したのか?を考察し、抽象化して考えていくと良いでしょう。

抽象化することで、他の商品・サービスへも転用することが可能です。

そのため、成功事例を取り入れる際は、どんなチューニングをすれば自社の商品・サービスのLPにフィットするのかを考えてみましょう。

では実際にどのように実施していくのか、具体例を用いて紹介します。

ファーストビュー改稿によってCVRが改善した成功事例

スプレー状のスキンケアミストのLPのファーストビューを動画から静止画に変更したことによって、FV離脱率とCVRが改善した例があります。

これは、一概にどのLPでも「動画をやめて静止画にするとCVRが上がる」というわけではありません。

この成功事例では、スプレーという形状の機能性を伝えるための動画から、使用後の肌が綺麗になった状態を情緒的に見せた静止画に変更しています。

この事例では、LPに訪問する前にクッションLPを経由していました。クッションLPの内容・文脈を見たとき「肌荒れの原因」について言及しており、このクッションLPを経由したユーザーが知りたい情報は「商品の形状による機能性」ではなく「肌が荒れていない素肌になれるのか」どうかではないか?という仮説が生まれたため、ファーストビューの改稿を実施しています。

よって抽象化して考えていくと、

「ユーザーがLPに辿り着くまでの流入経路で何を見たのか、見た内容から何を求めているのか」を考察した結果、

「機能性よりも理想の姿を魅せることで期待感を創出することが離脱防止とCVR改善に寄与した」と考えることが可能です。

では、自社の商品・サービスのLPに流用するとなると

・機能性を強調したLPを運用している場合は、情緒的な要素を加える
・情緒さを強調しているLPでは機能性を見せることで、情緒の裏付けを伝える
・情緒さの裏付けとなる権威や第三者評価をファーストビューで見せる

など、部分的にコピーすることが可能です。

とはいえ、成功事例を活用すると必ず成功するというわけではありません。実際にユーザーの評価を見るために、広告配信で得られたデータを見て成功するのかどうかを判断しましょう。

②CVRだけで勝ち負けを判断するABテスト

ABテストを実施することで実際のユーザーの評価を元に、検証することが可能です。ただし、テストの結果どちらが勝ったのか?をCVRだけで判断するのは少し危険です。

テストの結果、どちらが勝ったのか?という結果はもちろん大切ですが、得られた結果から再現性のある施策を考えるための材料も見つけることができます。

では、CVRだけの判断が危険な理由を解説します。

まず初めに、LP訪問ユーザーは以下の4つに分類することが可能です。

①CVしようと決めていたユーザー
②LPを読み進めていく中でCVしようと決めたユーザー
③迷った結果CVしなかったユーザー
④そもそもCVする気がなかったユーザー

4つのユーザーがいるという前提の上で、ABテストのうち、Bのパターンが「CVRが低かったから負け」と判断したと仮定します。

しかし、Bパターンに、迷った結果CVしなかったユーザーが多くいた場合、負けと判断してしまうのは勿体無いです。迷ってしまった原因を分析して、迷わないためのコンテンツを見せることができれば、CVRが上がる可能性を秘めているからです。

そのため、このテストの結果は

・AパターンがCVRが高かったためAパターンをメインに運用する
・Bパターンの分析結果からLPのコンテンツを一部変更する

と判断するのが良いでしょう。

この4つのユーザーは、ヒートマップより分析することが可能です。

各パターンのヒートマップを、ユーザーのCVした人/しなかった人というフィルターをかけることで、どの属性のユーザーが多かったのか確認することができます。

【さらに詳しく】

本記事で紹介した注意事項や抑えておきたい項目だけでなく、LPで「売れる」状態を作っていくために実施しておきたい内容を20項目にまとめて紹介しています。

各項目では、具体例を交えて解説しているため、実務的に実践するための方法を知りたいという方におすすめです。
<参考記事>LP(ランディングページ)を成功させる20項目

まずは現状把握が最優先

抑えておきたい設計と、やってはいけない注意事項を紹介しました。

まずは、抑えておきたい項目を抑えられているのか、注意事項を実施していないかを含む現状を見つめ直してみましょう。

現状を把握した上で優先的に取り組むべき箇所はどこにあるのか、緊急度をみながら優先順位をつけた上で取り組んでいくことがおすすめです。

とはいえ何をすべきかわからない人へ

・何が売れない原因なのか判断ができない
・改善箇所が複数あっていずれも緊急性が高い
・改善箇所はわかったが具体的な施策がわからない

このような悩みがあらたに発生することもあるのではないでしょうか。

その場合はこれから紹介する3つの方法をまだ実施されていない場合は、検討してみるのはいかがでしょうか。

まずはデータを集めてみる

まだ配信データを収集できていない場合は、まずはデータを整理していきましょう。期間別や広告配信金額別で見た時にどのような変化があったのかをすぐに閲覧しやすい状態にしていくことで、売れない原因を突き詰める際の解像度を少しずつ上げていくことが可能です。

外部パートナーに相談する

第三者の立場から客観的なフィードバックをもらうという選択肢もあります。LPの制作やLPOを得意とする会社にお願いすることで、自社内だけでは気づくことができなかった原因や改善点に気づくことができます。

ツールで改善する

LPOツールを導入することで、ツールが原因分析・改善箇所の洗い出しや制作までできるというサービスも存在しています。どのツールがどこまで対応可能なのかを見比べた上で、導入するツールを選定していくことがおすすめです。

結果的に売れた状態へ近づくために

「LPが売れない」というwebマーケティング担当者が一度は抱えたことがあるかもしれない悩みを解説しました。

現在の状況から一歩進むために、まずは現状を把握する・今の状況を見つめ直すことが重要です。闇雲に成功事例をコピーしてみるのではなく、現状を知った上でとるべき施策を考えていきましょう。

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