1.ユーザーを置き去りにしない未来を創る

私たちは、ユーザー起点でモノゴトを考え、テストを繰り返す”デザイン思考”を大切にしています。DX(デジタルトランスフォーメーション)化してきている時代において、今後マーケティング施策のAI化・オートメーション化はますます加速していきます。そんなAI時代に生きるからこそ、デジタルと共生しながら”考える力”を養うことが希少価値となっていくと考えています。

また、世の中の事業の大半はうまくいかないことばかりであることを私たちは知っています。施策ががうまくことに違和感を覚えることができるのは人の感情のみであり、また分断された施策をひとつなぎにできるのも人の力です。私たちは、市場に求められるクリエイティブを生み出し続けます。


2.顧客との約束(使命)

制作現場で得た経験値やスクール・資格取得で得たスキルは非常に重要です。なぜなら、どちらも手法論を教える立場ですので、誰もが使えるフレームワークを重視している傾向にあり、それは正しいことだと思います。

しかし、不確実性の高い昨今の時代においては、業務の現場で使用するフレームワークは情報整理には使えますが、新たな発想や着想を生むには平面的な視点だけでは生まれにくいことが多々あります。Web広告やクリエイティブ制作ではAI最適化によりスピード感が顕著になり、これらの課題が表層に出やすく、また平面的な視点だけでは打ち手が不足してしまい同じような施策や制作物しか提案することができなくなってきます。

それらを解決するために大きなヒントになるのが、「人」です。ナノカラーでは制作物の対象となる商材の「サービス利用対象層の母数」すべてに思考パターンがあり、何百万もの打ち手が眠っていることを理解しています。だからこそ、エンドユーザーの理解を第一に置いています。

3.大切にしている価値観

ナノカラーでは実際の業務の中で、リサーチや独自のフレームワーク「ペルソナ心理図」などを用いて、プロダクトの構成要素、データを組み合わせて打ち手を次から次へと生み出すことができます。これは、業務習慣の中に「販売訴求を立体的に構造化しようとする姿勢」がメンバー全員に共通している要素であると感じています。

次の章でご紹介する「 育成方針/キャリア・目標設計/評価制度 」にあるように、私たちは個人のスタンスとスキルをつなぐ「ヒューマンスキル」を重視しています。個人のスタンスは仕事のモチベーションとなり、またスキルは業務の基本となります。どちらも効果的に使いこなすには、人と対話し、人の感情を想像する力が不可欠です。いわゆる「コミュニケーション能力」と近いイメージをお持ちいただくかもしれませんが、必ずしも根明で活発である必要はありません。なんならナノカラーのメンバーは本質的には内向き・内省的なメンバーが集まっている傾向にあると思います。狙ったわけでなく、自然とそのような組織になりました。ここでいう内向きというのは自分の殻に閉じこもるという意味ではなく、相手がありきで「どうやったらこの人に自分の感情を伝え、スキルを活かすことができるか」という思考フローを辿る習慣が強くあると考えています。これは、私たちの大切な価値観であり、また業務においても課題を解決していきいつでも自分たちが快適に働ける環境を作り続けようという文化でもあります。

日本の伝統的な具体例をお借りすると、トヨタ自動車の業務改善プロセスの中に「問題を発見したらなぜ?を5回繰り返す」という「カイゼン」の考え方があります。これは、発生した現象に対して「それはなぜ?」という疑問を繰り返すことにより、問題の根本に辿り着くことができる、という着想から来ています。

例えば、クライアントからナノカラーの考察は「深い、広い、多い」と褒めていただくことがあります。それは、「制作する理由は何なのか」「なぜ制作物が必要なのか」「なぜクライアントは問題意識を抱えているのだろうか」など、制作過程のコミュニケーションすべてにそのような「カイゼンの隙」を探しているからだと思います。

「技術的に制限のある、平面を重視した提案をするのか」という理解と、「クライアントの数だけ事業課題があり、打ち手が眠っていることを理解した上で立体的・複合的な提案をしているのか」の理解には大きな違いがあることがわかりました。ナノカラーで身につけられるスキルは、実務の場である後者の割合が圧倒的に高くあります。

次の章では、具体的な行動指針と評価制度についてご紹介します。